【基礎】価格と生産量【生産者理論】
今日は価格と生産量について解説していきます。
☑ 本記事の内容
- 価格と生産量
- その解法
利潤最大の生産量
完全競争市場において、財を生産している総費用曲線がTC=Y^3-6Y^2+24Yで示されるとき、財の価格が60の場合この企業の利潤が最大になる生産量はいくつになりますか。
完全競争市場において企業利潤が最大における生産量は
が成り立ちます。
限界費用は総費用を微分して求めるので
(MC)=(TC)’
MC=3Y^2-12Y+24
MC=Pより
3Y^2-12Y+24=60
Y^2-4Y-12=0
(Y-6)(Y+2)=0
よって生産量は6ですね。
損益分岐点
完全競争市場において総費用関数がTC=Q^3-2Q^2+5Q+8で表されている企業があるとき、損益分岐点を求めよ。
TC=Q^3-2Q^2+5Q+8
AC=TC/Q=Q^2-2Q+5+8/Q
MC=(TC)’=3Q^2-4Q+5
AC=MCなので
Q^3-Q^2-4=0
(Q-2)(Q^2+Q+2)=0
よってQ=2
生産量は2ですね
操業停止点価格
X財を生産するある企業の総費用がTC=X^3-6X^2+15X+30で示されているとき、この企業の短期操業停止点はいくらでしょうか
操業停止点ではP=AVCを表し固定費用の回収ができなくなり、それ以下になれば可変費用を回収することもできなくなるので生産を続ければ損失拡大につながります。
可変費用=総費用―固定費用なので
VC=X^3-6X^2+15X
平均可変費用は可変費用を生産量で割ったものなので
AVC=VC/X=X^2-6X+15
MC=(TC)’
MC=3X^2-12X+15
3X^2-12X+15=X^2-6X+15
X(X-3)=0
X=3
操業停止点ではP=MC=AVCなので
AVCにXを代入して、答えは6
可変費用と限界費用
Y財を生産する企業の平均可変費用はAVC=Y^2-6Y+15で示される場合、Y財の価格が30であれば短期の生産量はいくらでしょうか
総費用は固定費用に可変費用を上乗せしたものであるため、
固定費用がわからなくても可変費用がわかれば、限界費用は求められる
AVC=AC/=Y^2-6Y+15
VC=Y^3-6Y^2+15Y
MC=3Y^2-12Y+15
利益最大の生産量はMC=Pが成立するので
3Y^2-12Y+15=30
(Y+1)(Y-5)=0
よって生産量は5
長期産業均衡
産業全体の需要曲線がX=80-Pで示され、費用曲線がC=4X^2+64で示されるとき個別産業の生産量と企業数はいくつになるでしょうか
但し、自由な参入による競争均衡が成り立つとします。
長期均衡では超過利潤が発生していると新規参入によって生産量が拡大し、供給過多となり、価格の下落が生じます。
この下落は超過利潤がゼロになるまで続くので、P=LMC=LACが成り立ちます。
LTC=4X^2+64
LAC=LTC/X=4X+64/X
LMC=(TC)’=8X
LMC=LACより、X=4
P=LMC=LACなのでP=32
完全競争市場ではD=Sなので産業全体の生産量となります。
X=80-PよりX=48
産業全体の生産量=個別企業の生産量*企業数
48=4nより企業数は12生産量は4
定額税従量税まとめ
定額税は生産量に依存しない税金です。
一律に1000円などと決まっているものを想像してください。
なのでグラフは総費用曲線の上方シフトになります。
平均費用は定額税を課した場合上昇します。
限界費用は変化しません。
従量税は一個あたりにそれぞれかかる税金です。身近なものでは消費税がこれにあたります。
量が増えれば増えるほど税収も増えていきますね。
供給曲線は限界費用曲線に等しいので限界費用曲線は上方へ並行シフトします。