期待効用仮説【消費者理論】
今日は期待効用仮説について解説していきます。
☑ 本記事の内容
- 期待効用仮説
- その解法
期待効用仮説とは
期待効用仮説って漢字多いし、いまいちピンときませんよね。
でも結構身近に使えるものなんですよ
期待効用=確率*効用水準という式が成り立ちます。
条件付きの財とはある条件で一定量を得られるが、ある条件では何も得ないという性質を持つ財のことです。
一番簡単なのが、宝くじですね。
他にも保険や、チケットの当日購入などがあります。
この時の期待効用はU=P*U(X)+Q*U(Y)と表されますね。
U(X)は所得Xの際の効用水準、U(Y)は所得Yの時の効用水準です。
それでは問題に移っていきましょう
期待効用
900万円の財産を1種類の株式の購入に充てようと考えている個人がいるとします。
この株式の価値が上がったときは2500万円になり、価値が下がれば100万円になってしまいます。
効用関数はU=X^1/2で表される場合、値上がる確率が最低何%なら株式を買うでしょうか?
株式を購入しない場合の所得は900なので
U=30
確率は1なので1*30=30ですね
株価が上昇する確率P
株価が下落する場合1—P
株価が上昇する場合
U^2=2500
U=50
確率はPなのでp*50=50p
株価が下落する場合
U^2=100
U=10
確率は1-Pなので10*(1-P)=10-10P
この2つを合わせると50p+10-10p=40p+10
株式を買わないときの効用を株式を買うときの効用が上回ればよいので、
30<40p+10
1/2<p
よって答えは50%
保険加入問題
個人の所得が不確実で1/2の確率で100万円、1/2の確率で2700万円になるとします。
この個人の効用はU=X^1/3で表されます。
この個人にy円の所得を確実に保証する保険が提供されたとき、yの最低値を求めなさい。
U=X^1/3は計算しづらいのでU^3=Xとします。
U^3=27000000
U=300
U^3=1000000
U=100
保険に加入していないときの期待効用は1/2*100+1/2*300=200
保険に加入した時の効用水準はU=y^1/3で確率は1なので
期待効用はy^1/3
保険に加入した際の期待効用のほうが保険に加入していないときの期待効用を上回ればよいので
200<=y^1/3
200^3=y
800000000=y
よって800万円
危険愛好家
1000円の所持金を持つ個人が当選確率0.04%で1000円の宝くじを購入する場合、この宝くじの賞金は最低いくらになりますか
ただし、この人の所持金に対する効用関数はU=Y^2で表されるとします
安定志向の人は、お金が0円になる可能性があるのに自分の全財産賭けませんもんね。そういうことです。
今回は指数が正の数なので危険愛好家であると判断できますね。
それでは解いていきましょう
所得1(000)
効用水準U=1^2
1^2*1=1
当選した場合
当選額をXとすると、
効用水準はX^2
確率は0.04なので0.04*X^2
落選した場合
0円
効用水準は0
期待効用は0.96*0
これらを足すと宝くじを買った場合の効用水準が求められるので、
0.04X^2+0.96*0=0.04X^2
先ほど同様、宝くじを買わなかった効用以上に宝くじを買った場合の効用が増えればよいので
1<=0.04X^2
X=5
よって5000円